子どものチカラ(No.1)
これから少しずつ、息子を通して子どものチカラって凄いなぁ~と思うところなどを少しずつ紹介していこうと思います^_^
まずは、ちょうど一年前のお盆に行った6日間の台湾旅行での出来事から。
若い頃からずっと行きたかった国の一つである台湾。去年の今頃、日本手話を普及しようと頑張るろう者の仲間が台湾旅行を企画してくれたので、旦那の海外赴任先の候補の一つでもあることから下見も兼ねて家族で参加してきました。滞在期間中は、現地の台湾人のろう者や難聴者が親切に案内をしてくださり思い出深い旅行となりました。
息子が不安になった環境
富山ー東京ー成田で国内の移動に一日を使い疲れている中、台湾に入国後も急ぎ新幹線にて台北から高雄へ。移動続きで疲れていた息子。あることがきっかけでどっと疲れと不安が彼を襲います。
一日目に泊まるホテルは、私たち家族以外は別の所に泊まるため、荷物を置きにみんなのホテルに付き添うことに。路地に入った所にある小さなゲストハウスでした。一階の共用スペースには台湾人の若者たちが賑やかに話しをしていました。ゲストハウスのオーナーは手話はもちろん英語もできず、部屋の説明をしようにも全く伝わらないというカオスな状況に陥りました。台湾語で台湾のろう者に話すものの聞こえないので伝わらない。日本人のろう者も台湾語が分からないので伝わらない。最後に私に話しかけてきたので、英語で説明して欲しいと英語で伝えても伝わらない。本当にカオスでした。(今から思えば、オーナーと台湾のろう者が筆談すれば良かったんだ!と気が付いたのですがww)そこにグッドタイミングで英語のできる若いスタッフが来たので、私は息子と旦那をロビーに置いて手話の通訳をしにみんなと部屋に向かいました。
ここで、息子は台湾に来て初めて日本語がない世界を体験します。知っている人はお父さんだけ。聴覚過敏の息子には周りの若者たちから聞こえる台湾語が耳にまとわり離れません。知らない国、、、一気に不安が襲ってきたとあとから教えてくれました。その後、夜の観光を予定していたものの、もう無理だぁぁぁとうずくまる息子を見て、私たち家族はホテルで休むことに。次の日も、台中への観光に行きたがらない息子でしたが、途中で寄ったコンビニの肉まんが美味しかったようで、そこから気分を持ち直し結果的には『まだ日本に帰りたくない!』とまで言える楽しい旅行となりました。早めの帰国も覚悟しただけに、食べ物の力ってすごいと思いました。気持ちを切り替えた息子にも拍手です。
子どものチカラ
台湾旅行の後半は台北観光と千と千尋の神隠しのモデルとなったと言われる『九份』へ。案内してくれたのは、息子と同じ学年の娘さんを持つ難聴の台湾の女性でした。娘さんは健聴です。その子と息子が打ち解けるにはそれほど時間は必要ありませんでした。それぞれ母国語しか話せない2人がいつの間にか仲良くなって、コミニュケーションを取っている。本当にすごいことだと思いました。子どもたちのチカラを見せつけられた瞬間でした。
今どきの小学生はスマホやiPadを駆使し、Google翻訳のアプリを利用して話をしていました。はじめは身振り手振りで話をしてみるのですが、どうしても伝わらない時はアプリを使っているようでした。それでも、一緒に居る時間を重ねる毎になんとなく気持ちが通じるようになり、ジャンケンをしてみたり、一緒に買い物してみたり、公園で遊んだりゲームしたりととても楽しそうに過ごしていました。
息子は小1の3学期から行き渋りが始まり、小2からはほとんど学校に行っておらず、ひらがなも危うい状態でした。Google翻訳に入力している文章をみていると、それでちゃんと翻訳してくれるのか?!とハラハラする日本語でしたが、女の子にはちゃんと通じているようでした。それを見て、マジかー!凄すぎる!!と感心しました。Google翻訳が凄いのか、女の子の推察力が凄かっただけかも知れませんが(笑)
息子は文章がうまく書けてないことも恥ずかしいとは思っていないようで、それも凄いことだと思いました。息子が必要と感じてやりたくなった時にやればいい、私がそれを恥ずかしいことだとレッテルを貼ってはいけないと肝に銘じた瞬間でもありました。息子には息子のペースがあると。そして信じて待つ。
とにかく、伝えたいという気持ちとそれを行動に表すチカラのある子どもたちに拍手するばかりでした!
その後、予定より早めに別れなくてはならなくなった時には、息子とまだ遊びたかったと言って女の子は涙を流してくれました。息子もその子が地下鉄の駅のフリーペーパーで作ってくれた剣を今でも大切に持っています。どんな思い出として息子の中に残っているのでしょうか。今でも台湾に友達ができた!と嬉しそうに言っています。
言葉の壁をいとも簡単に乗り越えてしまう子どもたちのチカラをありありと見せつけられた旅行となりました。そして、大人の力など必要が無いことを思い知らされたのでした。
そう遠くない未来に日本に来たいと言ってくれたその家族と再会できるのを楽しみにしています!!早くコロナ収まれーーーー!!
手話の魅力
日本の手話と台湾の手話、似ている部分が結構あって、台湾語が話せなくても手話ができたら通じることを知り、手話ってすごい!と魅力を改めて感じました。残念ながら使わないのでもう忘れてしまいましたが…(泣)
日本手話は蜷川の地区センターで習うことができます。興味のある方は是非!